「書店員の恋」梅田みか

書店員の恋

書店員の恋

渋谷の大型書店の文芸担当の26歳の書店員の恋の話。
現在付き合って3年のファミレスで働くカレがいるけど、書店のフェアでケータイ小説家の歯科医と出会って、主人公の日常が変わっていく。
・・・みたいな話です。
主人公の女友達はあんまり存在感がない(キャラは濃いけど、立場がモロ脇役)けど、男性陣は結構個性的です。
簡単に紹介すると・・・
・大輔:主人公の現恋人。26歳。料理が好きでいつか自分の店を持つのが夢。現在はファミレスでアルバイトをしているが、最近バイトから正社員になった。(=生活は安定したが、夢からはまた一歩遠のいた)いつも「金がない」「金が欲しい」と言っている。
・純也:主人公の同僚。同じ文芸担当、30歳。チーフに抜擢された主人公を陰から支えてくれる。売れる・売れないよりも、作家や作品の内容を重視している。
・譲二:ケータイ小説家の歯科医師。35歳。譲二が書いた本を主人公が書店のフェアで大きく取り上げたのがキッカケで、「取材」と称して主人公に何度も会いに来る。

大輔との仲があまり上手くいってない最中に、譲二という今をときめくセレブな男性が現れて、気持ちが揺らぐ主人公。
「愛があればお金なんて・・・」と思ってはいるものの、最近は愛があるかも怪しい。
でも、話の後半で大輔が一念発起して、話はクライマックスへ。



話としては面白かったと思うけど、主人公を始め、各登場人物の好き嫌いが結構あると思います。
それによって、作品の評価も左右されるかも・・・。

あと、クライマックスからラスト辺りの書き方がベタだなぁとも思いました。
大輔も譲二も外国へ旅立つんですが、主人公が成田へ行くシーンが書かれておらず、そこで場面転換するトコとか、譲二が主人公をモデルにした本のタイトルも。
そういうのがちょっと気になったけど、書店とか書店員とか気になる人には、なかなか楽しめる作品でした。