「鱗姫」嶽本野ばら

鱗姫 (小学館文庫)

鱗姫 (小学館文庫)

今の今まで嶽本さんの作品は読んだ事が無かったのですが、市立図書館で太宰治の文庫本を探してたら、ふと目に止まりまして。(50音順で近いから)
割と薄めで(本の厚さが)、裏表紙のあらすじを読んだら面白そうだったので借りてみました。

「私とは住む世界が違う・・・!!」っていうのが第一印象。
でも、違うからこそ、その世界に憧れや畏れがあるわけで。

お金持ちで綺麗で品もあって・・・
でも人には言えない秘密・・・「鱗病」と言う名の病を患って。
しかもその病気は緩和は出来るが根治は出来ないという不治の病。
でも、鮮血を新しくできた鱗に塗れば、その鱗は消えるという。

エリザベート・バートリーの逸話を絡めながら進んでいく、この物語。
エリザベートは少女の生き血を体に塗って美肌を保っていたそうです。。。

主人公・楼子には、楼子に負けず劣らず美しい兄がいて。
この美しき兄と妹のやりとりがまた堪らなく好きです。
ラストの展開も、私としてはアリですね。
むしろ、ラストに向かう前から、そんな展開が待ってないかなぁと期待してたので。
フィクションなんだから、いいんですよ。